中国通信事業者の囲い込み戦略:中国移動の分散化と中国聯通の集中化
中国国内を点々と歩いて気づいたことがたくさんある。通信事業者の営業ショップについては中国移動と中国聯通間ではっきりとした戦略の違いがあるように見えた。
大連経済技術開発区は、遼寧省大連市にある、1984年に設置された中国最初の経済技術開発区となる。その後、2010年から周辺3つの地級市と統合され、総面積は2,299平方KM、人口は約155万規模の大連金普新区になった。日本留学前に7年間ここに住み、その後も一時帰国や現地調査などで土地柄がよく知っている場所の一つ。今回の帰国で数日あっちこっち歩いてみたが、どうやら、営業ショップの二極化がみられているようだ。
メインストーリー近くにある中国移動社としての、一番大きい営業ショップは場所こそ変わっていないものの、かつて1/5のほどの小規模なショップになり、雑居ビルの一階に小さいな店舗をかまえていた。中に入ると、がらんとして1人の営業員がいかにも暇そうにくつろいていた。対して、中国聯通は金普新区のメインストーリー、一番中心地的な場所に店舗を広げ、立派な営業ショップ、窓口のみで15個あり、窓口の向こうには正装していた担当者が整然として待ち構えていた。
どうやら中国移動がここ数年、住宅区の近くにグリッド化した「属地化」管理を進めてきたのが本当のようだ。住宅地に分散しているコミュニティー(社区)のグリッド化管理や建物まで浸透したグリッド化管理を進める中、様々な請負契約を通じて、従来のコミュニティマネジャーがグリッド管理員になり、業務内容と責任分担も大きく変え、社員任期の契約化と専門管理職を基層まで移動しているという2021年の中国移動社WeChat公式アカウントの報道通りのようだ。コロナ対策でそのような戦略が一気に明白化したという。
引用:筆者現地撮影