5月20日本日、中国移動は4月分の各種データを公開した。 

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4月30日までの中国移動社移動ユーザーが計9.47億、前月比43.2万増となった。うち、4Gユーザーは7.54億、前月比177.2万増。5Gユーザーは
4374.5億、前月比1202.2万増となった。

以上が通信産業網によるデータ公開。

「水増し」報道は不勉強だ

純減が続く中、5Gユーザーの増加ぶりが大変凄まじく、「水増し」と報道されたこともあるが、実はここに中国ならではの事情と5Gの素晴らしい戦略がある。
中国で5Gユーザーであるか否かは端末ベースではなく、料金プランベースに集計している。つまり、4Gの端末でも5Gの料金プランを利用している人は、4Gではなく、5Gにカウントされるという仕組み。実際、先日投稿した5G携帯電話を安く買うには!!にもご紹介したように、キャリアショップでも端末コーナーでも端末と一緒に料金プランが用意されていて、料金プランの選び方によって端末の購入代が大きく上下する等の点からでも分かるように、中国では料金プラン優先となっている。

実際、中国で5G端末によるユーザー数(5G料金プランのユーザーが5000万に達し、そのうち5G端末経由で5Gネットワークに接続できたのは2000万)もSina財経ニュースにて堂々と公開しているし、本サイトでも「中国5G利用者数:2020年3月末」に引用している。

中国では端末よりも料金プラン優先

中国では昔から(第2世代携帯電話)携帯電話機は単なる端末としかとらえない風習があった。それは、携帯電話機というよりSIMカードが重要で言い換えれば携帯電話は何台もあり、都合に合わせて使いたい端末にSIMカードを差し込めばどれでも使えるからであった。緊急な場合、自分の携帯が電池切れになったりする場合は友人の携帯を借りて自分のSIMカードを差し込んで使うようなことも普通にある。女の子なら、その日のファッションやコーディネート、気分に合わせて何台も使い分けをする。携帯電話は何台もあるものだというこそが中国人の感覚。5Gとなる今も、端末に対する中国人の考え方は基本的に変わっていない。

5Gの素晴らしい戦略

5Gサービスの売り込みにどの国でも苦戦しているように見えるが、中国でも同じ状況。現在の4Gの端末を使っているユーサーでも5Gの料金プランを選べることは、ユーザーにとっても、事業者にとってもハッピーな選択肢である。
つまり、4G端末で5Gの割引料金プラン、高速通信を体験できるのがユーザーにとって実に嬉しい話。4Gの端末で5Gの高速通信を利用でき、ドラマや映画のダウンロード等が瞬時にでき、オンライン鑑賞がもっとスムーズになる。もっと早い速度で通信したい場合は高性能な5G端末への買い替えという選択肢もある。4Gと5Gの料金額がさほど変わらないなら、なおさら嬉しいところ。

事業者から見て、5Gサービスエリアの狭さが大きな課題。エリア内で5G、整備がまだできていない場所では従来の4Gに切り替えて使ってもらうことでサービスをカバーするが中国のみでなく、今の世界中の5Gサービスの現状でもある。サービス開始初期からこのような形で5Gの高速通信を体験してもらいながら、「4G端末5Gユーザー」から「5G端末5Gユーザー」への移行も時期的なものであろう。

どうしても端末ベースに考えてしまうのは、日本的な発想。

これはおそらく第2世代携帯電話で日本が独自に開発したPDC方式を採用したことが関係している。当時、SIMカードを使う2G方式の代表であるGSMがサービスが世界212ヵ国で通用していた中、日本では端末一体型でSIMカードを使われてこなかった。第3世代携帯電話以降USIMが登用されるようになったものの基本的に1人一台の端末と考えられていて、中国のようにSIMカード1枚で何台もの端末を使い分ける習慣はないのも一因と考えられる。


通信産業網:
http://www.ccidcom.com/yunying/20200520/sB6QnKJWEXEvg9vVt17hj9mbdsaa8.html

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