昨日アップした中国聯通製品センター総経理、全国政協委員でもある張曇勇氏による「両会」(第13期全国人民代表大会の第4回会議&政協第13期全国委員会第4回会議)への3つの提案のうちの、「700MHzの周波数資源共有と共同構築」案が特に大きな議論を呼んでいるので、ここに詳しく整理した。
張曇勇氏の提案
3)5Gローバンド700MHz周波数資源の共有とネットワーク網共同構築。
提案内容:農村地域にて700MHz帯域の全国規模の5G共有ネットワークを構築し、4大通信事業者間でアクセスネットワークを共有することを提案する。
2020年4月1日に工業情報化部(MII)がラジオテレビに利用してきた「702-798MHz帯域の移動通信システムへの利用計画調整」を発行した。2021年1月4日、国務院から「農村の活性化の包括的促進を目指した農業農村現代化の進展への意見」が公布されている。同月、1月26日に中国広電と中国移動が共同建設について合意した。
通信事業者の運営観点から考えると、ラジオやケーブルテレビなどのラテメディア系の中国広電が5G発展のチャンス窓口がなく、中国移動は上記の合意によって、700MHz+2.6GHz+4.9GHz帯域を確保することになった。
通信業全体の発展から考えると、中国電信と中国聯通も農村地区で700MHz帯域の共有を実現できれば、重複建設を避けられ、全体の健全な発展可能性が広がる。しかし、4社間の相互通信によるコストが増加する見込みがある。通信会社間の決算方法やその仕組みづくりが必要となる。農村地域でのデータ利用量が都市部より低い現状でどのように工夫して運営面でのイノベーションを実現するかも課題になる。
「農村の活性化の包括的促進を目指した農業農村現代化の進展への意見」では、「項目4、農村建設を大いに進める。デジタル農村を実行する。農村ギガビット光ファイバーネットワーク、5G、Iotを都市部と共に計画し、建設する。電信ユニバーサルサービスを完全にし、農村や辺境地域の情報通信インフラの構築を支持する。農業や農村地域向けのリモートセンシング衛星などの施設の建設をスピードアップする。」とある。
700MHzは強力な通過力と広いカバレッジを持つ特性を「デジタルボーナス」とまで呼ばれている。分析によると、農村地域で同じカバレッジを確保するには、700MHzにて必要とされる基地局数が2.6GHzの1/5、3.5GHzの1/6、4.9GHzの1/9に2まで低減できる。現有4G同規模のカバレッジを実現可能な5Gネットワークを構築する場合、700MHz帯域が3.5GHz帯域より約1900億元の無線設備・光ファイバー、伝送系統などの設備投資、年間電気利用料金とチャーター費用が約200億元を節約可能になる。700MHz帯域が農村や辺境地域の5Gユニバーサルサービスにとって必要不可欠な存在であり、貧困脱却やデジタルデバイドの解消にも重要な意義を持つ。
有効な競争環境から考えても、張曇勇氏が中国広電と中国移動が700MHz帯域での共同構築を通じて2社の通信サービス能力の向上に繋がるが、資源の不均衡な配分による農村地域における5Gユニバーサルサービス提供における通信事業者間のアンバランスを引き起こしてしまう。業界の不均衡に繋がる。もう2社のサービスエリアにいる、特に辺境地域にいる利用者にとって公平さに欠ける。
大変素晴らしいご見解、今時、特に5G大規模なインフラ整備においてこのような公平的な考え方が今の中国にとって大変重要な意味を持つと、私も大賛成!╰(*´︶`*)╯♡
文章・画像の引用先:
http://www.gov.cn/xinwen/2021-02/21/content_5588098.htm
https://mbd.baidu.com/newspage/data/landingsuper?context=%7B%22nid%22%3A%22news_9460880545647774951%22%7D&n_type=1&p_from=3
https://mp.weixin.qq.com/s/REpiV1iyH7dVULCWsfKQlg